原発訴訟の電力会社代理人弁護士

原発訴訟では、電力会社も訴えられる。
国と同時に訴えられるケースもあるが、むしろ、電力会社単独で訴えられるケースの方が多い。
国が訴えられた場合には、法務省訟務局から派遣された訟務検事が指定代理人を務める。しかし、民間企業の電力会社には、訟務検事は派遣されない。このため、電力会社は、自前で訴訟代理人を調達するしかなく、結局、巷の弁護士達に依頼することになる。
以下は、被告(電力会社)側の答弁書や準備書面に掲載されていた、訴訟代理人弁護士達の名前である。

訴訟別一覧

(※各訴訟&仮処分を、概ね提訴(申立て)日順に並べた)
  • 橙字:国の訴訟代理人弁護士

浜岡原発1~4号機運転差止め請求訴訟*(2003.7.3提訴)控訴審(係争中)参照参照

(*一審:平成15年(ワ)第544号,控訴審:平成19年(ネ)第5721号)
  • 被告中部電力株式会社訴訟代理人
    • 高橋正蔵(弁護士,高橋正蔵法律事務所),奥村敉軌(同),浦部康資(同),岩田修一(同),海老原元彦(弁護士,岩田合同法律事務所),竹内洋(同),谷健太郎(同),半場秀(同),筬島裕斗志(同),八木宏(同),大久保暁彦(同),越路倫有(同),山内喜明(弁護士,山内法律事務所)

玄海原発3号機MOX燃料使用差止め訴訟*(2010.8.9提訴)控訴審(係争中)参照参照

(*一審:平成22年(ワ)第591号,控訴審:平成27年(ネ)第454号)
  • 被告九州電力株式会社訴訟代理人
    • 堤克彦(弁護士,堤克彦法律事務所),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),松﨑隆(弁護士,徳永・松﨑・斉藤法律事務所),斉藤芳朗(同),永原豪(同),熊谷善昭(同)
    • (※途中から加わった面々)池田早織(弁護士)

浜岡原発運転永久停止請求訴訟*(2011.5.27提訴)一審(係争中)参照参照参照

(*平成23年(ワ)第425号)
(※この裁判では、国と中部電力の両方が被告になっている)
【国】
  • 被告国指定代理人:不明
【中部電力】
  • 被告中部電力株式会社訴訟代理人
    • 高橋正蔵(弁護士,高橋正蔵法律事務所),奥村敉軌(同),浦部康資(同),佐藤浩史(弁護士,佐藤浩史法律事務所),岩田修一(弁護士,岩田法律事務所),竹内洋(弁護士,岩田合同法律事務所),若林茂雄(同),大久保由美(同),栗原さやか(同),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),長屋文裕(同),谷健太郎(弁護士,弁護士法人三宅法律事務所東京事務所),半場秀(弁護士,島田法律事務所),福谷賢典(同)
    • (※途中から加わった面々)村上雅哉(弁護士,岩田合同法律事務所),井上響太(弁護士,弁護士法人三宅法律事務所東京事務所)

浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟*(2011.7.1提訴)一審(係争中)参照参照

(*平成23年(ワ)第886号)
  • 被告中部電力株式会社訴訟代理人
    • 高橋正蔵(弁護士,高橋正蔵法律事務所),奥村敉軌(同),浦部康資(同),佐藤浩史(弁護士,佐藤浩史法律事務所),岩田修一(弁護士,岩田法律事務所),竹内洋(弁護士,岩田合同法律事務所),若林茂雄(同),大久保由美(同),村上雅哉(同),栗原さやか(同),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),長屋文裕(同),谷健太郎(弁護士,弁護士法人三宅法律事務所東京事務所),井上響太(同),半場秀(弁護士,島田法律事務所),福谷賢典(同)

玄海原発2・3号機再稼働差止め仮処分*(2011.7.7申立て)一審(係争中)参照

(*平成23年(ヨ)21号)
  • 債務者九州電力株式会社訴訟代理人
    • 堤克彦(弁護士,堤克彦法律事務所),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),松﨑隆(弁護士,徳永・松﨑・斉藤法律事務所),斉藤芳朗(同),永原豪(同),熊谷善昭(同),池田早織(弁護士)

伊方原発1~3号機運転差止め請求訴訟*(2011.12.8提訴)一審(係争中)参照参照

(*平成23年(ワ)第1291号,平成24年(ワ)第441号,平成25年(ワ)第516号,平成26年(ワ)第328号)
  • 被告四国電力株式会社訴訟代理人
    • 田代健(弁護士),兼光弘幸(同),松繁明(同),元木将道(同),安藤潔(同),寄井真二郎(同),市川聡毅(同),山内喜明(同)

玄海原発1~4号機運転差止め請求訴訟*(2011.12.27提訴)一審(係争中)参照参照

(*平成23年(ワ)第812号)
  • 被告九州電力株式会社訴訟代理人
    • 堤克彦(弁護士,堤克彦法律事務所),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),松﨑隆(弁護士,徳永・松﨑・斉藤法律事務所),斉藤芳朗(同),永原豪(同),熊谷善昭(同),池田早織(弁護士)
    • (※途中から加わった面々)家永由佳里(弁護士)

川内原発差止め等請求訴訟*(2012.5.30提訴)一審(係争中)参照参照参照

(*平成24年(ワ)第430号)
(※この裁判では、国と九州電力の両方が被告になっている)
【国】
【九州電力】
  • 被告九州電力株式会社訴訟代理人
    • 堤克彦(弁護士,堤克彦法律事務所),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),松﨑隆(弁護士,徳永・松﨑・斉藤法律事務所),斉藤芳朗(同),永原豪(同),熊谷善昭(同),池田早織(同)

大飯原発3・4号運転停止行政訴訟*(2012.6.12提訴)一審(係争中)参照参照参照

(*平成24年(行ウ)第117号)
  • 被告国訴訟代理人:竹野下喜彦(※途中から加わる)
  • 被告国指定代理人:(※原発訴訟の訟務検事を参照)

志賀原発1・2号機運転差止め請求訴訟*(2012.6.26提訴)一審(係争中)参照参照

(*平成24年(ワ)第328号)
  • 被告北陸電力株式会社訴訟代理人
    • 山内喜明(弁護士),茅根熙和(同),春原誠(同),江口正夫(同),池田秀雄(同),長原悟(同),八木宏(同),濵松慎治(同),川島慶(同)

大飯原発1~4号機運転差止め請求訴訟*(2012.11.29提訴)一審(係争中)参照参照参照参照参照参照

(*平成24年(ワ)第3671号&平成25年(ワ)第3946号&平成27年(ワ)第287号)
(※この裁判では、国と関西電力の両方が被告になっている)
【国】
  • 被告国訴訟代理人:熊谷明彦(※途中から加わる)
  • 被告国指定代理人:(※原発訴訟の訟務検事を参照)
【関西電力】
  • 被告関西電力株式会社訴訟代理人
    • 小原正敏(弁護士,きっかわ法律事務所),田中宏(同),西出智幸(同),原井大介(同),森拓也(同),辰田淳(同),今城智徳(同),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所)
    • (※途中から加わった面々)神原浩(弁護士),中室祐(弁護士)

大飯原発3・4号機運転差止め請求訴訟*(2012.11.30提訴)控訴審(係争中)参照参照

(*一審:平成24年(ワ)第394号&平成25年(ワ)第63号,控訴審:平成26年(ネ)第126号)
  • 控訴人関西電力株式会社訴訟代理人
    • 小原正敏(弁護士,きっかわ法律事務所),田中宏(同),西出智幸(同),原井大介(同),森拓也(同),辰田淳(同),今城智徳(同),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),中室祐(弁護士,関西電力株式会社)

福島原発避難者損害賠償請求訴訟*(2012.12.3提訴)一審(係争中)参照参照参照参照

(*第1次提訴:平成24年(ワ)第213号,第2次提訴:平成25年(ワ)第131号,第3次提訴:平成25(ワ)第252号,第4次提訴:平成26(ワ)第101号,第5次提訴:平成27(ワ)第34号)
  • 被告東京電力株式会社訴訟代理人
    • 田中清(弁護士,銀座ファースト法律事務所),若林諒(同),青木丈介(同),土屋賢司(同),小谷健太郎(同)
    • (※途中から加わった面々)川見唯史

福島原発・いわき市民損害賠償請求訴訟*(2013.3.11提訴)一審(係争中)参照参照参照参照参照

(*平成25年(ワ)第46号,平成26年(ワ)第224号)
(※この裁判では、国と東京電力の両方が被告になっている)
【国】
  • 被告国訴訟代理人:樋渡利美(弁護士,本田正幸法律事務所)(※途中から加わる)
  • 被告国指定代理人:(※原発訴訟の訟務検事を参照)
【東京電力】
  • 被告東京電力株式会社訴訟代理人
    • 棚村友博(弁護士,シティユーワ法律事務所),田中秀幸(同),中川明子(同),安井綾(同),永岡秀一(同),青木翔太郎(同),島田雄介(同),瀧澤輝(同)
    • (※途中から加わった面々)長井沙希(弁護士,シティユーワ法律事務所)

福島第一原発事故損害賠償請求訴訟*(2013.3.11提訴)一審(係争中)参照

(*平成25年(ワ)第515号・第1476号・第1477号)
(※この裁判では、国と東京電力の両方が被告になっている)
【国】
  • 被告国訴訟代理人:樋渡利美(※途中から加わる)
  • 被告国指定代理人:(※原発訴訟の訟務検事を参照)
【東京電力】
  • 被告東京電力株式会社訴訟代理人
    • 棚村友博(弁護士,シティユーワ法律事務所),岡内真哉(同),水谷幸治(同),船橋玲(同),奥原靖裕(同),長井沙希(同)

島根原発3号機設置許可処分無効確認請求訴訟*(2013.4.24提訴)一審(係争中)参照参照参照参照参照

(*国:平成25年(行ウ)第5号,中国電力:平成25年(ワ)第84号)
(※この裁判では、国と中国電力の両方が被告になっている)
【国】
  • 被告国訴訟代理人:岩渕正樹(※途中から加わる)
  • 被告国指定代理人:(※原発訴訟の訟務検事を参照)
【中国電力】
  • 被告中国電力株式会社訴訟代理人
    • 中村寿夫(弁護士,中村法律事務所),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),長屋文裕(同左),福田浩(弁護士,弁護士法人あすか広島事務所),小川泰弘(弁護士,新谷・前川法律事務所)
    • (※途中から加わった面々)川本賢一水野絵里奈

福島原状回復等請求訴訟*(2013.5.30提訴)一審(係争中)参照参照参照

(*平成25年(ワ)第38号・第94号・第175号,平成26年(ワ)第14号・第165号・第166号)
(※この裁判では、国と東京電力の両方が被告になっている)
【国】
  • 被告国訴訟代理人:樋渡利美(※途中から加わる)
  • 被告国指定代理人:(※原発訴訟の訟務検事を参照)
【東京電力】
  • 被告東京電力株式会社訴訟代理人:(※答弁書・準備書面のpdfファイルが、弁護士名を消去した形でアップされているため、分からず)

福島原発被害関西訴訟*(2013.9.17提訴)一審(係争中)参照参照参照参照

(*平成25年(ワ)第9521号・第12947号,平成26年(ワ)第2109号)
(※この裁判では、国と東京電力の両方が被告になっている)
【国】
【東京電力】
  • 被告東京電力株式会社訴訟代理人
    • 棚村友博(弁護士,シティユーワ法律事務所),岡内真哉(同),永岡秀一(同),永井翔太郎(同)

玄海原発3・4号機運転停止命令義務付け請求訴訟*(2013.11.13提訴)一審(係争中)参照参照

(*平成25年(行ウ)第13号)
  • 被告国訴訟代理人:竹野下喜彦(※途中から加わる)
  • 被告国指定代理人:(※原発訴訟の訟務検事を参照)

原発メーカー損害賠償請求訴訟*(2014.1.30提訴)一審(係争中)参照参照参照参照

(*平成26年(ワ)第2146号・第5824号)
  • 被告株式会社日立製作所訴訟代理人
    • 吉田瑞穂(弁護士,森・濱田松本法律事務所),田中浩之(同),金丸和弘(同)
  • 被告株式会社東芝訴訟代理人
    • 西迪雄(弁護士,西綜合法律事務所),向井千杉(同),富田美栄子(同),渡邉和之(同),小林幸弘(同),吉岡雅史(同)
  • 被告GEジャパン株式会社訴訟代理人
    • 岡田和樹(弁護士,フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所),山川亜紀子(同),高橋茜莉(同),大田愛子(同)

大間原発建設差止め等請求訴訟*(2014.4.3提訴)一審(係争中)参照参照参照参照

(*平成26年(行ウ)第152号)
(※この裁判では、国と電源開発の両方が被告になっている)
【国】
  • 被告国訴訟代理人:竹野下喜彦(弁護士,ふじ合同法律事務所)
  • 被告国指定代理人:(※原発訴訟の訟務検事を参照)
【電源開発】
  • 被告電源開発株式会社訴訟代理人
    • 溝呂木商太郎(弁護士,岩田合同法律事務所),竹内洋(同左),伊達聡子(同左),田子真也(同左),吉原朋成(同左),坂本倫子(同左),山内喜明(弁護士,山内喜明法律事務所),谷健太郎(弁護士,弁護士法人三宅法律事務所東京事務所),井上響太(同左),長屋文裕(弁護士,長屋文裕法律事務所),圓道至剛(弁護士,島田法律事務所),福谷賢典(同左)

川内原発1・2号機運転差止め仮処分*(2014.5.30申立て)抗告審(特別抗告せず確定)参照参照

(*原審:平成26年(ヨ)第36号,抗告審:平成27年(ラ)第33号)
  • 被告九州電力株式会社訴訟代理人
    • 堤克彦山内喜明松﨑隆野田健太郎斉藤芳朗永原豪熊谷善昭池田早織

事務所別・受任件数ランキング

電力会社の代理人達を見ていると、同じ法律事務所に所属する複数の弁護士がグループで受任しているケースが目立つ。恐らく、事務所のボス弁護士が電力会社から依頼を受け、配下の勤務弁護士を引き連れて訴訟に参加しているものと思われる。しかも、複数の原発訴訟に、同じ法律事務所(弁護士集団)が度々登場しており、電力会社との強い癒着を窺わせる。

(※原発訴訟を2回以上受任した法律事務所を列記した,②~⑤は受任回数/「山内喜明法律事務所」や「堤克彦法律事務所」、「本田正幸法律事務所」(樋渡利美)など、弁護士1名で受任した法律事務所は除外した)

⑤ふじ合同法律事務所(東京都中央区銀座6-5-13 CSSビルディングⅢ 7階)参照参照

  • 受任した原発訴訟
    • 竹野下喜彦:「大飯原発3・4号運転停止行政訴訟」「玄海原発3・4号機運転停止命令義務付け請求訴訟」「大間原発建設差止め等請求訴訟」の国側訴訟代理人
    • 熊谷明彦:「大飯原発1~4号機運転差止め請求訴訟」の国側訴訟代理人
    • 岩渕正樹:「島根原発3号機設置許可処分無効確認請求訴訟」の国側訴訟代理人
      • この事務所の場合は、かなり特殊で、原発訴訟の国側訴訟代理人を1人で引き受ける形になっている,因みに、竹野下喜彦と岩渕正樹は元判事、熊谷明彦は元検事(訟務検事の経験有)である(参照
  • 福島県川俣町山木屋地区在住の渡辺はま子さんが、「計画的避難区域」の自宅に一時帰宅した際に焼身自殺し、遺族が東京電力に賠償を求めた裁判では、竹野下喜彦松永暁太岩渕正樹の3名が東電側の代理人を務め、渡辺さんが従前からうつ病だったとの破廉恥な主張を展開した(幸い、原告側が勝訴し、東電が多額の損害賠償を命じられている)(参照参照
  松永暁太.jpg(※左が松永暁太弁護士)

【竹野下喜彦(元判事)の東京電力との関わり】
  • 東京電力の「原子力安全・品質保証会議」(第1回:2002.12.19~第24回:2012.11.13)の委員を務めていた(参照参照参照

【事務所代表弁護士・中込秀樹(元判事)の東京電力との関わり】
  中込秀樹.jpg(※左が中込秀樹弁護士)
  • 1993.3.22 「東京都が東京電力に対して行った、港湾設備用地の使用許可処分」の取消しを求めた行政訴訟(一審・東京地裁)で、裁判長として、原告側(東京都住民)の訴えを却下する判決を出している(参照判決文),しかも、驚いたことに、その際の左陪席判事は長屋文裕であったことが、判決文より判明した(※長屋文裕については、下段の「個人別・受任件数ランキング」項を参照)
  • 東京電力の「報酬委員会」(2007.4.27設置)の委員を務めている(参照
  • 東京電力の「原子力発電設備における法令手続きおよび検査・計測記録等適正化対策検討会」のメンバーだった(※メンバーのうち3名は弁護士が務めており、残りの2名は熊谷明彦と、2003年に「シティユーワ法律事務所」に移った棚村友博)(参照
  • 東京電力の「原子力安全・品質保証会議 事故調査検証委員会」(2011.6.11設置)の委員を務めている(参照

【事務所ナンバー2弁護士・岩渕正紀(元判事)の東京電力及び原発推進派との関わり】
  岩渕正紀.jpg(※左が岩渕正紀弁護士)
  • 判事時代に、法務省訟務局に出向して訟務検事を務めた経歴の持ち主(参照
  • 有名な「もんじゅ訴訟」では、国側の訴訟代理人弁護士を務めている(参照)(※「もんじゅ訴訟」については、原発訴訟の担当裁判官(一覧)を参照)
  • 東京電力の「安全情報申告制度に係る調査委員会」(2002.5月下旬発足)のアドバイザー弁護士を務めていた(参照
  • 2002.9月に、一部の報道機関が、「東京電力の原子力発電所で過去に実施された格納容器漏洩率検査において、漏洩率を低下させるために空気の注入が行われたのではないか」と報じた一件で、東電が依頼した社外調査団(弁護士5名からなる)の一員を務める(参照
  • 文部科学省の「原子力安全規制等懇談会」のメンバーになっている(参照参照
    • かつてはこの事務所に所属していたが、2003年に「シティユーワ法律事務所」に移籍し、現在、複数の原発被災者訴訟で東京電力訴訟代理人を務めている棚村友博も、「原子力安全規制等懇談会」の部会「研究炉等安全規制検討会 核物質防護ワーキンググループ」で委員を務めていた(因みに、「原子力安全規制等懇談会」及び部会のメンバーのうち、弁護士は、岩渕正紀と棚村友博の2人だけである)

⑤徳永・松﨑・斉藤法律事務所(福岡県福岡市中央区大手門1-1-12 大手門パインビル7階)参照

  • 受任した訴訟(被告はいずれも九州電力)
    • 「玄海原発3号機MOX燃料使用差止め訴訟」に5名が関与
    • 「玄海原発2・3号機再稼働差止め仮処分」に5名が関与
    • 「玄海原発1~4号機運転差止め請求訴訟」に6名が関与(※常連の5名に家永由佳里が加わる)
    • 「川内原発差止め等請求訴訟」に5名が関与
    • 「川内原発1・2号機運転差止め仮処分」に5名が関与
      • 上記5件に関与したのは、いずれも、松﨑隆・斉藤芳朗・永原豪・熊谷善昭・池田早織の5人組
松崎隆.jpg斉藤芳朗.jpg永原豪.jpg熊谷善昭.jpg池田早織.jpg家永由佳里.jpg
(※上は、左から順に、松﨑隆、斉藤芳朗、永原豪、熊谷善昭、池田早織、家永由佳里の各弁護士)
  • 代表弁護士の松﨑隆は、過去に、「豊前環境権訴訟」「九州電力株主総会決議取消訴訟」の九州電力代理人、「熊本水俣病訴訟」のチッソ代理人、「土呂久鉱害訴訟」の住友金属鉱山代理人、「長崎伊王島じん肺訴訟」の日鉄鉱業代理人を務めている(参照
  • 同じく代表弁護士の斉藤芳朗は、過去に、「福岡水俣病訴訟」のチッソ代理人を務めている(参照
※この事務所は、九州エリアの公害訴訟で加害企業側の代理人を務めてきた、典型的な「経営法曹」である。受任した4件の原発訴訟の被告は、いずれも九州電力であり、恐らく、「豊前環境権訴訟」「九州電力株主総会決議取消訴訟」の際に出来た九電とのパイプで依頼されたものと思われる。

④岩田合同法律事務所(東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング10階)参照参照

  • 受任した原発訴訟
    • 「浜岡原発1~4号機運転差止め請求訴訟」に8名が関与
    • 「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」に5名が関与
    • 「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」に5名が関与
    • 「大間原発建設差止め等請求訴訟」に6名が関与
      • この事務所は、メンバーの入れ替わりが激しく、上記4件に関与した面々のうちで、今も在籍しているのは、竹内洋・若林茂雄・溝呂木商太郎の幹部3名と、村上雅哉・田子真也・吉原朋成・坂本倫子のパートナー弁護士4名だけである
  村上雅哉.jpg田子真也.png吉原朋成.png坂本倫子.png
  (※上は、左から順に、村上雅哉、田子真也、吉原朋成、坂本倫子の各弁護士)
  • 代表パートナー弁護士(2008.1月~)の竹内洋は、2003~2006年にかけて、原発メーカー・三菱電機の社外取締役をしていた(※三菱電機が、退官した幹部判検事の天下り先になっている件については、原発訴訟の担当裁判官(考察)の「判検事の天下り」項を参照),更に、かつて、「田子の浦港ヘドロ公害住民訴訟事件」「大気汚染公害訴訟事件(水島コンビナート、名古屋南部等)」の加害企業側の代理人を務めていた(参照
  • 代表パートナー弁護士の若林茂雄は、過去に、「水島大気汚染公害訴訟」「名古屋南部大気汚染公害訴訟」の加害企業側の代理人を務めている(参照
  若林茂雄.jpg(※左が若林茂雄弁護士)
  • 伊達室・代表者の溝呂木商太郎は、過去に、岩佐嘉寿幸さんの原発労働者被曝訴訟(1981.3.30判決)で、被告日本原子力発電株式会社側の訴訟代理人を務めている(参照
  • 前代表パートナー弁護士(~2007.12月まで)の海老原元彦は、2013.1.12に死去している(享年87)(参照

③高橋正蔵法律事務所(愛知県名古屋市中区丸の内1-6-9)

  • 受任した訴訟(被告はいずれも中部電力)
    • 「浜岡原発1~4号機運転差止め請求訴訟」に4名が関与
    • 「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」に3名が関与
    • 「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」に3名が関与(※同上)
      • 上記3件に関与したのは、いずれも、高橋正蔵・奥村敉軌・浦部康資・岩田修一の4人組(※但し、2004年に岩田修一が岩田法律事務所を設立して独立したため、「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」については、3名に減っている)(参照
 奥村やす軌.jpg浦部康資.png岩田修一.jpg(※左から順に、奥村敉軌、浦部康資、岩田修一の各弁護士)
  • 前代表弁護士の高橋正蔵は、名古屋弁護士会(現愛知県弁護士会)会長や日弁連副会長を務めた大物だったが、2012.10.3に脳幹梗塞で死去している(享年93)(参照
  • 現代表弁護士の奥村敉軌(やすのり)も、2001.4月~名古屋弁護士会(現愛知県弁護士会)の会長を務めていた(参照
  • 高橋正蔵と奥村敉軌の二人には、妙な噂がある(卑劣な弁護士を実名で糾弾

③弁護士法人三宅法律事務所東京事務所(東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビルヂング北館)参照

  • 受任した訴訟
    • 「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」に2名が関与
    • 「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」に2名が関与
    • 「大間原発建設差止め等請求訴訟」に2名が関与
      • 上記3件に関与した2名は、いずれも、谷健太郎&井上響太ペア,更に、谷健太郎については、上記3件の前に、「浜岡原発1~4号機運転差止め請求訴訟」にも、岩田合同法律事務所の一員として参加している
  谷健太郎.jpg井上響太.jpg(※左が谷健太郎弁護士、右が井上響太弁護士)

③島田法律事務所(東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア West 18階)参照

  • 受任した訴訟
    • 「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」に2名が関与
    • 「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」に2名が関与
    • 「大間原発建設差止め等請求訴訟」に2名が関与
  • この法律事務所は、「企業法務と金融法務を主要業務とする弁護士が集結し、2010年に設立された」そうなのだが、調べてみると、岩田合同法律事務所からの移籍組が多い。まず、上記3訴訟に関与した半場秀、福谷賢典、圓道至剛の3名は、いずれも、岩田合同からの移籍組である。その他にも、「浜岡原発1~4号機運転差止め請求訴訟」に関与した筬島裕斗志、「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」と「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」に関与した大久保由美の2名も、岩田合同からこちらに移っている。ついでに、原発訴訟には関わっていないが、代表パートナー弁護士の島田邦雄も、岩田合同からの移籍組である。以上を整理すると、以下の様になる。
    • 半場秀(1993.4月~2010.7月在籍):岩田合同時代に「浜岡原発1~4号機運転差止め請求訴訟」に、島田移籍後に「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」に関与
    • 福谷賢典(2004.10月~2010.8月在籍):島田移籍後に「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」「大間原発建設差止め等請求訴訟」に関与
    • 圓道至剛(2003.10月~2009.3月在籍):島田移籍後に「大間原発建設差止め等請求訴訟」に関与
    • 筬島裕斗志(1999.4月~2010.8月在籍):岩田合同時代に「浜岡原発1~4号機運転差止め請求訴訟」に関与
    • 大久保由美(2002.5月~2014.7月在籍):岩田合同時代に「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」と「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」に関与
  圓道至剛.jpg(※左は圓道至剛弁護士)
以上から推察するに、新設の島田法律事務所に電力会社とパイプがある訳ではなく、岩田合同法律事務所時代から連綿と続く、原発訴訟への関与の系譜があるものと思われる。

③シティユーワ法律事務所(東京都千代田区丸の内2-2-2 丸の内三井ビル7階)参照

  • 受任した訴訟(被告はいずれも東京電力)
    • 「福島原発・いわき市民損害賠償請求訴訟」に、棚村友博以下9名が関与
    • 「福島第一原発事故損害賠償請求訴訟」に、棚村友博以下6名が関与
    • 「福島原発被害関西訴訟」に、棚村友博以下4名が関与
      • 上記3件の訴訟代理人は、リーダー格の棚村友博以外、面子が毎回入れ替わっている,但し、永岡秀一・長井沙希・岡内真哉の3名は、3件中2件に関与している
      • 田中秀幸中川明子安井綾青木翔太郎島田雄介瀧澤輝は「福島原発・いわき市民損害賠償請求訴訟」のみ、水谷幸治船橋玲奥原靖裕は「福島第一原発事故損害賠償請求訴訟」のみ、永井翔太郎は「福島原発被害関西訴訟」のみに関与
  長井沙希.jpg岡内真哉.jpg(※左が長井沙希、岡内真哉の各弁護士)
  田中秀幸.jpg中川明子.jpg安井綾.png青木翔太郎.png船橋玲.png奥原靖裕.jpg
  (※上は、左から順に田中秀幸、中川明子、安井綾、青木翔太郎、船橋玲、奥原靖裕の各弁護士)
  • 「福島原発・いわき市民損害賠償請求訴訟」の東電訴訟代理人団の一員・島田雄介は、何と、2013年から「経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力・ガス改革推進室」に出向し、課長補佐を務めている(参照参照
    • 島田雄介が名を連ねる、東電訴訟代理人団の「答弁書」の日付は、2013.9.5である(参照)。まさか、東電訴訟代理人団に在籍したまま、経産省に出向したということはないだろうが、同じ2013年の話である。
    • そもそも、経済産業省は、東京電力を監督する立場の行政官庁である。そんな役所に、東電の訴訟代理人団に名を連ねていた弁護士が採用されて、課長補佐を務めるというのは、おかしいのではないか?「天下り」ならぬ「天上がり」で、癒着以外の何物でもない。しかも、「資源エネルギー庁 電力・ガス事業部」といえば、同じ「福島原発・いわき市民損害賠償請求訴訟」で、被告国の指定代理人として登場する経産省職員の全員が、この部署の所属なのである(参照)。因みに、窃盗未遂で逮捕歴のある経産省職員・川原佑介も、この「福島原発・いわき市民損害賠償請求訴訟」に国側指定代理人として参加しており、所属・肩書は「資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力立地・核燃料サイクル産業課 原子力損害対応室」の経済産業技官である(参照)。
  島田雄介.jpg(※左が島田雄介弁護士)  
  • 「福島第一原発事故損害賠償請求訴訟」(千葉地裁)で、棚村友博ら6名の東電訴訟代理人団は、被災者に対し、「あなたの父親は、原発事故以前から認知症だったのではないか」などと反対尋問するなど、悪質極まりない法廷戦術を展開している(参照

【東電訴訟代理人団を率いる棚村友博の東京電力及び原発推進派との関わり】
  • 「一般社団法人 日本原子力技術協会」の評議員を務めている(参照
  • 「一般社団法人 原子力安全推進協会」の評議員を務めている(参照
  • 東京電力の「原子力発電設備における法令手続きおよび検査・計測記録等適正化対策検討会」のメンバーだった(※メンバーのうち3名は弁護士が務めており、残りの2名は、「ふじ合同法律事務所」の中込秀樹熊谷明彦)(参照
  • 原子力安全委員会の「特定放射性廃棄物処分安全調査会」に設置された「制度検討分科会」(第1回:2006.5.25~第4回:2006.11.2)の部外協力者を務めていた(参照
  • 2007~2011年にかけて、文部科学省の「原子力安全規制等懇談会」の部会である「研究炉等安全規制検討会 核物質防護ワーキンググループ」の委員を務めていた(参照参照
  • 2000年~2003年まで、国&電力会社の御用事務所「ふじ合同法律事務所」に所属していた(参照

【事務所の代表パートナー弁護士・伊藤茂昭(東京弁護士会会長)は、被災者救済に熱心な善人】
  • 伊藤茂昭は、上記の東電被害者訴訟に一切関わっていない
  • 2011.10.13・14に、女川の仮設住宅を訪問し、住民と会話をした経験がある(参照
  • 東京弁護士会会長として、2015.5.17に、「原発事故による避難者に対する住宅無償提供終了に反対する会長声明」を出している(参照
  • 東京弁護士会などが弁護士会館で開催した「東日本大震災の被害伝える写真展」(2016.3.1~)では、東京弁護士会会長として、「5年たちましたけれども復興はなかなか進んでいない。仮設に住む方もたくさんおられますし、震災を忘れてはいけない。首都圏のみなさまに、この会館に来て見ていただきたい」とコメントしている(参照
※代表弁護士の伊藤茂昭は、被災者救済に熱心な人物であることから、シティユーワ法律事務所自体が東京電力と癒着しているとは考えにくい。国&電力会社の御用事務所「ふじ合同法律事務所」から移籍した棚村友博に、東電との個人的な繋がりがあるものと思われる。

【その他】
  • 弁護士から「経産省原子力安全・保安院原子力安全特別調査課訟務室」の課長補佐になり、「川内原発差止め等請求訴訟」「大飯原発3・4号運転停止行政訴訟」「大飯原発1~4号機運転差止め請求訴訟」「島根原発3号機設置許可処分無効確認請求訴訟」「玄海原発3・4号機運転停止命令義務付け請求訴訟」で国側代理人を務める石森博行は、この事務所に籍を置いている(参照

②きっかわ法律事務所(大阪府大阪市北区堂島浜1-4-16 アクア堂島西館2階)参照

  • 受任した訴訟(被告はいずれも関西電力)
    • 「大飯原発1~4号機運転差止め請求訴訟」に8名が関与(※常連の7名に神原浩が加わる)
    • 「大飯原発3・4号機運転差止め請求訴訟」に7名が関与
      • 上記3件に関与したのは、いずれも、小原正敏・田中宏・西出智幸・原井大介・森拓也・辰田淳・今城智徳の7人組
  小原正敏.jpg田中宏.jpg西出智幸.jpg(※左から順に、小原正敏、田中宏、西出智幸の各弁護士)
  • 辰田淳は、弁護士登録する前に、関西電力に勤務していた(参照),関電での所属は「総務室法務総括グループ」(法務省法務総合研究所国際協力部報 第4号(2002.7)の182~187頁を参照)
  • 代表弁護士(オフカウンシル)の原井龍一郎が、2002.11.15~「関西電力コンプライアンス委員会」の委員を務めている(参照

各法律事務所の相互関係と弁護士達の系列

上記の法律事務所8件について、弁護士達の移籍等による関係を図式化したものが以下である。
  • 太字:原発訴訟に関わったことのある者
  • 細字:原発訴訟に関わったことのない者
  • 赤字:電力会社の外部委員や、国の原発関連組織の委員をしたことのある者(=原発推進勢力との癒着)
  • 下線:元判事、元検事の経歴を持つ者

【岩田合同法律事務所】竹内洋(代表)若林茂雄(代表)溝呂木商太郎村上雅哉田子真也吉原朋成坂本倫子
  │
  ├→<移籍>【弁護士法人三宅法律事務所東京事務所】谷健太郎
  │
  └→<移籍>【島田法律事務所】島田邦雄(代表),半場秀福谷賢典圓道至剛筬島裕志大久保由美 

【山内喜明法律事務所】山内喜明
  │
  └→<独立>【長屋文裕法律事務所】長屋文裕
               ↑
               ├<東京地裁時代の裁判長(中込)と左陪席(長屋)の間柄>
               ↓
【ふじ合同法律事務所】中込秀樹(代表)/岩渕正紀竹野下喜彦熊谷明彦岩渕正樹松永暁太
  │
  └→<移籍>【シティユーワ法律事務所】棚村友博
         │(※島田・石森はシティユーワ生え抜き)
         ├→<出向>【経産省資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力・ガス改革推進室】島田雄介
         │
         └→<出向>【経産省原子力安全・保安院原子力安全特別調査課訟務室】石森博行(原発訴訟5件で国側代理人を務める)

以上を見ても分かるとおり、電力会社の訴訟代理人を務める弁護士達は、「岩田合同法律事務所」と「ふじ合同法律事務所」の2系列に大別される。
しかしながら、この2つの系列には、顕著な違いが見られる。最大の違いは、ふじ合同系列の弁護士達には、電力会社の外部委員や、国の原発関連組織の委員をした経歴を持つ者が多い点である。一方、岩田合同系列には、その手の経歴を持つ者は、現時点で一人も確認出来なかった。また、ふじ合同系列の弁護士達には、元判事・元検事の経歴を持つ者が多いのも特徴的である。尚、岩田合同系列にも、元判事の経歴を持つ者が3名いるが、いずれも、任官して僅か2年で中途退官したり(谷健太郎・大久保由美)、弁護士から中途任官して3年勤めただけだったりと(圓道至剛)、生粋の判事出身者とは言えない者ばかりである。
以上をまとめると、ふじ合同系列の弁護士達は、国や原発関連組織、電力会社との関わりが深く、なんとなく癒着を感じさせるのに比べ、岩田合同系列は、ごく普通の経営法曹の集団といった違いがある。従って、我々庶民の目から見て、嫌な感じがするのは、明らかに、ふじ合同系列の弁護士達であろう。実際、「週刊プレイボーイ」が名指しで非難しているのも、ふじ合同系列の面々である(参照参照)。
それから、「ふじ合同法律事務所」の場合は、訴訟の受任の仕方が、他の事務所とは全く異なるのも特徴的だ。何度も述べたとおり、ふじ合同は、原発訴訟の国側訴訟代理人を弁護士1人で引き受け、訟務検事達(国側指定代理人)と一緒に、国の弁護活動に携わるスタイルを採っている。他の法律事務所が、電力会社の訴訟代理人を集団で引き受けているのとは対照的である。
そして、国側訴訟代理人の仕事が国から舞い込むということは、国(法務省)との間に何らかのパイプがあることを示唆している。ふじ合同の弁護士達には、元判事や元検事の経歴を持つ者が多いが、国に籍を置いていた頃に培った人脈が、そのパイプになっているのかもしれない。
考えてみれば、ふじ合同のナンバー2弁護士・岩渕正紀は、訟務検事歴のある元判事で、「もんじゅ訴訟」では国側訴訟代理人弁護士を務めていた。原発訴訟の国側訴訟代理人の仕事を国(法務省)から引き受けるスタイルは、その頃からの伝統で、竹野下喜彦・熊谷明彦・岩渕正樹らは、その継承者なのかもしれない。
尚、「ふじ合同法律事務所」と同じく、国側訴訟代理人を1人で引き受けている弁護士に、樋渡利美(本田正幸法律事務所)がいる。そして、この人にも訟務検事(東京法務局訟務部付,法務省大臣官房民事訟務課付)の経歴があることから、法務省訟務局との繋がりこそが、退官後に、国側訴訟代理人の仕事を回してもらうための要件になっているのではなかろうか。

「徳永・松﨑・斉藤法律事務所」(福岡市)と「高橋正蔵法律事務所」(名古屋市)、「きっかわ法律事務所」(大阪市)の3事務所については、地域色が強いので省略した。そもそも、これらが受任している訴訟は、「徳永・松﨑・斉藤法律事務所」が九州電力のみ、「高橋正蔵法律事務所」が中部電力のみ、「きっかわ法律事務所」が関西電力のみと、地域限定になっている。また、事務所の代表弁護士が、地元弁護士会の会長・副会長経験者である点も、大変似通っている。(松﨑隆・斉藤芳朗は福岡県弁護士会会長、高橋正蔵・奥村敉軌は名古屋弁護士会(現愛知県弁護士会)会長、原井龍一郎は大阪弁護士会副会長をそれぞれ経験している)
要するに、地元の大手法律事務所に、地元電力会社が訴訟代理人を依頼したというだけの話で、特に興味を引く点は無い。

個人別・受任件数ランキング

(※原発訴訟を3回以上受任した弁護士を列記した,③~⑭は受任回数)

⑭山内喜明(山内喜明法律事務所*)(別名「電力会社の守護神」)

(*住所:東京都港区新橋2-4-2 新橋アオヤギビル7階)
  山内喜明.png(※左が山内喜明弁護士)
  • 1975年 弁護士登録
  • 受任した原発訴訟
    • 「浜岡原発1~4号機運転差止め請求訴訟」「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」の中部電力訴訟代理人
    • 「玄海原発3号機MOX燃料使用差止め訴訟」「玄海原発2・3号機再稼働差止め仮処分」「玄海原発1~4号機運転差止め請求訴訟」「川内原発差止め等請求訴訟」「川内原発1・2号機運転差止め仮処分」の九州電力訴訟代理人
    • 「伊方原発1~3号機運転差止め請求訴訟」の四国電力訴訟代理人
    • 「志賀原発1・2号機運転差止め請求訴訟」の北陸電力訴訟代理人
    • 「大飯原発1~4号機運転差止め請求訴訟」「大飯原発3・4号機運転差止め請求訴訟」の関西電力訴訟代理人
    • 「島根原発3号機設置許可処分無効確認請求訴訟」の中国電力訴訟代理人
    • 「大間原発建設差止め等請求訴訟」の電源開発訴訟代理人
      • 「訴訟別一覧」に掲載した14訴訟・2仮処分のうち、実に、12訴訟・2仮処分の代理人を務め、中部・九州・四国・北陸・関西・中国電力と電源開発の7社を弁護している。電力会社の代理人弁護士達の中でも、ダントツの受任件数であり、まさに「電力会社の守護神」である。
【原発推進派との関わり】
  • 経済産業省・総合資源エネルギー調査会の「原子力安全・保安部会」(2001.1.10設置)の委員を務めていた(参照参照
  • 内閣府原子力委員会の「総合企画・評価部会」(2001.7月設置)の専門委員を務めていた(参照
  • 東北電力の「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」(2002.11月設置)のメンバーだった(参照
  • 原子力安全委員会の「原子力安全基準専門部会」の専門委員を務め、「耐震指針検討分科会」(第1回:2001.7.10~第48回:2006.8.28)に所属していた(参照参照参照) 
  • 原子力安全委員会の「放射性廃棄物・廃止措置専門部会」の専門委員を務めていた(参照
  • 文部科学省の「科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 原子力科学技術委員会 研究施設等廃棄物作業部会」の委員を務める(参照

⑤堤克彦(堤克彦法律事務所*)

(*住所:福岡県福岡市中央区天神2-14-8 福岡天神センタ−ビル6階)
堤克彦.jpg(※左が堤克彦弁護士)
  • 1968.4月 弁護士登録
  • 元西南学院大学法学部教授(~1994.9月,参照
  • 受任した原発訴訟
    • 「玄海原発3号機MOX燃料使用差止め訴訟」「玄海原発2・3号機再稼働差止め仮処分」「玄海原発1~4号機運転差止め請求訴訟」「川内原発差止め等請求訴訟」「川内原発1・2号機運転差止め仮処分」の九州電力訴訟代理人

⑤松﨑隆 他4名(徳永・松﨑・斉藤法律事務所)参照

④長屋文裕(長屋文裕法律事務所*)(原発メーカー「東芝プラントシステム」に天下った元判事)

(*住所:東京都港区西新橋1-20-13 虎ノ門法経ビル)
【判事時代】
  • 1991.4月 判事補任官→~1995.3.31 事務総局行政局付→1995.4.1~1996.3.31 名古屋家裁→1996.4.1~1998.3.31 名古屋地裁→1998.4.1~ 東京地裁→~2003.3.30 検事(法務省行政訟務課付)→2003.3.31~2004.3.31 東京地裁→2004.4.1~ 最高裁裁判所調査官
  • 1993.3.22 「東京都が東京電力に対して行った、港湾設備用地の使用許可処分」の取消しを求めた行政訴訟(一審・東京地裁)で、左陪席判事として、原告側(東京都住民)の訴えを却下する判決を出している(参照判決文),因みに、その際の裁判長は、退官後に「ふじ合同法律事務所」の代表弁護士となった中込秀樹である(※中込秀樹については、上段の「事務所別・受任件数ランキング」項の「ふじ合同法律事務所」を参照)
【退官後】
  • 2009.3.31 依願退官→2009.6月 弁護士登録→2010.6.24~2015.6.25 東芝プラントシステムの社外監査役に天下り(※原発訴訟の担当裁判官(考察)の「判検事の天下り」項を参照)
  • 2011年 経産省の「総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 廃棄物安全小委員会 埋設処分技術ワーキンググループ」の委員を務める(参照参照
  • 受任した原発訴訟
    • 山内喜明法律事務所の一員として、「浜岡原発運転永久停止請求訴訟」「浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟」の中部電力訴訟代理人、「島根原発3号機設置許可処分無効確認請求訴訟」の中国電力訴訟代理人を務める
    • 長屋文裕法律事務所の肩書で、「大間原発建設差止め等請求訴訟」の電源開発訴訟代理人を務める

④竹内洋(岩田合同法律事務所)参照

④谷健太郎(弁護士法人三宅法律事務所東京事務所)(「岩田合同法律事務所」出身)参照

③樋渡利美(本田正幸法律事務所*)(訟務検事の経験もある元検事)参照

(*住所:東京都渋谷区恵比寿西1-21-10 代官山デュープレックス1402)
【検事時代】
  • 1997.4月 検事任官→東京地検、千葉地検、横浜地検等の各地検勤務の他、東京法務局訟務部付、法務省大臣官房民事訟務課付
【退官後】
  • 2012.3月 退官→2012.6月 弁護士登録(東京弁護士会所属)
  • 受任した原発訴訟:「福島原発・いわき市民損害賠償請求訴訟」「福島第一原発事故損害賠償請求訴訟」「福島原状回復等請求訴訟」の国側訴訟代理人を務める
    • 国側訴訟代理人を1人で引き受ける形を採っている→「ふじ合同法律事務所」の竹野下喜彦(元判事)、岩渕正樹(元判事)、熊谷明彦(元検事)と同じパターン
  • 原子力規制委員会の「平成27年度原子力施設安全情報申告調査委員会」の委員を務める(参照

③竹野下喜彦(ふじ合同法律事務所)参照

③奥村敉軌(やすのり)(高橋正蔵法律事務所)参照

③浦部康資(高橋正蔵法律事務所)参照

③岩田修一(岩田法律事務所*)(「高橋正蔵法律事務所」出身)参照

(*住所:愛知県春日井市松新町1-23 エクセレント勝川3-C号)

③井上響太(弁護士法人三宅法律事務所東京事務所)参照

③半場秀(島田法律事務所)(「岩田合同法律事務所」出身)参照

③福谷賢典(島田法律事務所)(「岩田合同法律事務所」出身)参照

③棚村友博(シティユーワ法律事務所)(「ふじ合同法律事務所」出身)参照


  • 最終更新:2016-04-19 18:42:30

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